60代になっても、着物を素敵に着こなしたいという気持ちは変わらないものです。年齢を重ねた今だからこそ似合う髪型や、上品に見える工夫はたくさんあります。
本記事では、基本のヘアスタイルは?という疑問に応えながら、自分でできるアレンジ方法や、母親として結婚式で留袖を着る際の髪型選び、前髪ありスタイルの魅力なども丁寧に紹介していきます。
ボブやショートを活かしながら、かっこいい印象に仕上げるポイントや、やってはいけない注意点にも触れていきます。
また、留袖を着用する母親が選びたい髪飾りについても解説し、フォーマルな場面で失敗しない装いを目指します。
自宅で簡単に整えたい方から、美容院でのオーダーに悩む方まで、この記事があなたの髪型選びのヒントになれば幸いです。
- 60代が着物に似合うショートヘアを自分で整える方法
- フォーマルな場にふさわしい母親の髪型と前髪のポイント
- 季節や場面に合ったボブや髪飾りの選び方
- やってはいけない髪型の例と美容院での上手なオーダー方法
着物の髪型をショートに!60代の髪型を自分で決める
- 基本のヘアスタイルは?
- 自分で簡単にできるアレンジ
- 母親としての装いにふさわしいヘアスタイル
- 留袖の母親が前髪ありにする魅力
- ボブで品よく華やかに
基本のヘアスタイルは?
60代の女性が着物に合わせてショートヘアを整える際は、「すっきり感」と「上品さ」を意識したスタイルが基本になります。
着物は首元や襟足がよく見える服装なので、髪型によって全体の印象が大きく変わってしまいます。
まず押さえておきたいのが、首筋や襟元を美しく見せることです。髪のボリュームが後ろにたまってしまうと着物とのバランスが崩れてしまうため、耳周りや襟足はコンパクトにまとめると良いでしょう。
短すぎるスタイルでなければ、トップに少し高さを持たせることで、全体のシルエットが整い、若々しさも演出できます。
具体的な例としては、サイドの髪を耳にかけて清潔感を出したり、前髪を斜めに流して柔らかさを出す方法が挙げられます。
また、年齢を重ねた髪質に合わせてレイヤーを入れることで、自然なボリュームを引き出すことができます。
髪が細くなりがちな方は、トップにふんわり感を持たせることで、顔まわりが明るくなり、全体に華やかさが増します。
ただし注意点もあります。あまりにも派手なスタイルや過度に逆立てたセットは、着物の上品さとちぐはぐになってしまうことがあります。
シンプルかつ洗練された印象を目指して、控えめなスタイリングを心がけましょう。
こうして基本を押さえておけば、着物を着たときの印象がぐっと良くなります。特別なアレンジを加えなくても、丁寧に整えられた髪型が、品のある大人の美しさを引き出してくれるはずです。
自分で簡単にできるアレンジ
母親としての装いにふさわしいヘアスタイル
着物姿の母親に求められるのは、落ち着きと上品さを兼ね備えた佇まいです。とくに結婚式などのフォーマルな場では、主役である新郎新婦を引き立てる存在として、髪型にも配慮が必要です。
華美になりすぎず、でも老け込んだ印象にもならない。その絶妙なバランスを意識することが大切です。
まず意識したいのは、首まわりをすっきりと見せるこです。
ショートヘアやボブであっても、うなじが美しく見えるように、襟足は丁寧に整えましょう。髪の流れを整えるだけでも、着物との調和がぐっと良くなります。
サイドの髪は耳にかけると清潔感が出て、品の良い印象に仕上がります。
一方で、全体がペタッとしてしまうと地味な印象になりがちです。トップに自然なボリュームを持たせると、顔まわりが明るくなり、若々しさも感じられるようになります。
ふんわりと仕上げるためには、ブローや軽めのスタイリング剤の使用がおすすめです。
また、髪飾りの選び方にも注意が必要です。母親としての立場を考えると、きらびやかなものより、パールやべっ甲など控えめな素材のものが望ましいです。
髪の一部にそっと添えるだけでも、十分に上品さが引き立ちます。
こうしたポイントを押さえていけば、自然体でありながら格調のあるスタイルに仕上がります。
フォーマルな場にふさわしい母親の装いとは、気取りすぎず、でも確かな品を感じさせるバランスにあると言えるでしょう。
留袖の母親が前髪ありにする魅力
留袖を着る際に「前髪をどうするか」で悩む方も多いのではないでしょうか。特に母親としての装いでは、落ち着きと清潔感が求められるため、前髪のスタイルにも気を配る必要があります。
前髪ありのヘアスタイルには、顔の印象をやわらかく見せる効果があります。
特に60代になると、額のシワや肌のトーンが気になってくることもありますが、前髪があることでそれらを自然にカバーでき、全体的に若々しい印象に導いてくれます。
例えば、斜めに流した前髪は、視線を自然に分散させてくれるため、顔立ちをすっきりと見せる効果があります。
また、センターより少しずらした分け目で軽く流すと、顔の左右のバランスが整い、上品な印象が生まれます。前髪があることで額を見せすぎず、適度な柔らかさと落ち着きを演出できます。
ただし、重たすぎる前髪は注意が必要です。目元を隠してしまうほどの厚い前髪は、かえって野暮ったい印象を与えることがあります。
そのため、量や長さを調整しながら軽やかに仕上げるのが理想的です。
美容院でオーダーする際には「留袖に合わせたい」「前髪を自然に流したい」と伝えると、フォーマルな場に合うスタイリングに仕上げてくれるでしょう。
このように、前髪ありのスタイルは、母親としての品格を損なわず、優しさや女性らしさを引き立てる選択肢となります。特別な日に、自信を持って装いたい方にはおすすめのスタイルです。
ボブで品よく華やかに
ボブスタイルは、60代の女性が着物を着るときにとても相性の良い髪型のひとつです。
特に「品よく、でも少し華やかに見せたい」と考える方にとって、バランスのとれた理想的なスタイルといえるでしょう。
まず、ボブの長さについてですが、顎ラインから肩くらいまでのミディアム寄りの長さが、顔まわりを柔らかく見せる効果があります。
この長さだと、うなじや首のラインがすっきりと出やすく、着物の襟元ともよく調和します。特に内巻きボブにすると、フェイスラインをやさしく包み込み、女性らしい上品な印象が生まれます。
そして、華やかさを加えたい場合は、毛先に軽くカールを入れるのがおすすめです。ホットカーラーやコテを使って毛先に動きをつけることで、地味になりがちな着物スタイルに華やかさが加わります。
巻きすぎず、ナチュラルなゆる巻きにすると、年齢に合った上品さを保ちつつ華やかさを演出できます。
また、髪色の選び方も印象を左右します。黒髪でももちろん美しいのですが、やや明るめのダークブラウンやアッシュ系のカラーを選ぶと、顔色が明るく見えやすく、やさしい印象になります。
白髪が気になる方でも、全体を自然なトーンで整えるだけで、清潔感と落ち着きのある雰囲気を作ることが可能です。
ただし注意点として、重たく見えるボブは避けた方がよいでしょう。髪に動きがなく、前髪やサイドが一体化してしまうと、顔まわりが暗く見えがちです。
ボブにするなら下記も参考にしてください。
レイヤーを少し入れたり、分け目を変えたりすることで、軽さと表情をつけることができます。
このように、ボブスタイルは落ち着きと女性らしさを同時に引き出してくれるため、着物と合わせても自然な美しさを演出できます。品よく華やかに見せたいときに、ぜひ取り入れてみたいスタイルです。
60代の着物の髪型はショートもあり。自分で選ぶ時代
- かっこいい印象に仕上げるポイント
- やってはいけない形とは?
- 美容院でのオーダー方法とコツ
- 季節に合わせたアレンジの提案
- 留袖の母親が使う髪飾りの選び方
かっこいい印象に仕上げるポイント
「かっこいい」という印象を着物スタイルで目指す場合、髪型には少しシャープさや個性を取り入れるのがポイントです。
ショートやボブスタイルでも、少しの工夫で大人の芯のある魅力を引き出すことができます。
まず意識したいのは「直線的なシルエット」と「輪郭を際立たせるスタイリング」です。
たとえば、トップに高さを出し、サイドをタイトにまとめることで、顔立ちがくっきりと見え、凛とした印象になります。
髪全体にオイルやバームを馴染ませ、ツヤ感を持たせると、洗練された雰囲気が生まれます。
前髪を上げておでこを出すスタイルもおすすめです。視線が上に集まりやすくなり、顔が引き締まって見える効果があります。
あえて左右非対称の分け目にすることで、動きと個性を出すのもおしゃれな方法です。これにより、かっこよさの中にも程よい柔らかさを演出できます。
また、カラーリングでアクセントをつけるのも有効です。例えば、全体はダークトーンでまとめつつ、さりげなくハイライトを入れると立体感が増し、個性が際立ちます。
白髪をあえて染めず、グレイヘアを活かすのもナチュラルでかっこいい印象になります。
一方で、スタイリングのしすぎには注意が必要です。盛りすぎたり、ボリュームを出しすぎると、かっこいいよりも派手な印象になってしまうことがあります。
シンプルな中に意志を感じさせるような、引き算の美学が「大人のかっこよさ」を作る鍵になります。
こうして考えると、「かっこいい着物スタイル」は、派手さではなく、計算されたシンプルさと清潔感が土台になります。
髪型で自分らしさを表現したいときに、ぜひ試していただきたいスタイルです。
やってはいけない形とは?
着物に合わせるショートヘアで気をつけたいのは、「普段のおしゃれ」と「フォーマルな場での装い」は別だということです。
普段は似合っているスタイルであっても、着物を着たときにはミスマッチになる可能性があります。では、どのような髪型が避けたほうが良いのでしょうか。
まず最も避けたいのは、毛先がバラついた無造作スタイルです。ナチュラルな雰囲気を狙ったとしても、だらしなく見えてしまっては意味がありません。
特に年齢を重ねた髪は、乾燥やハリ不足が目立ちやすいため、ラフすぎる印象は「疲れた」印象につながる恐れがあります。
また、ボリュームが出すぎるシルエットも注意が必要です。着物は首元や肩のラインが美しく見えるデザインなので、髪型が重たすぎると、着物の魅力が損なわれてしまいます。
例えば、サイドに広がったマッシュルーム型のスタイルや、トップがつぶれてしまったスタイルは避けたほうが良いでしょう。
さらに、前髪が目にかかるほど長いスタイルも不向きです。視線を遮る髪型は、着物の持つ清楚さや品格と合わず、全体の印象が暗く見えてしまいます。
おでこを適度に見せたり、サイドに流したりして視界をクリアにすると、顔の表情も明るくなります。
色に関しても注意点があります。あまりにも派手なカラーや個性的すぎるカラーは、着物の伝統的な美しさと調和しにくいため、避けたほうが無難です。
グレイヘアやナチュラルなトーンを生かしたほうが、全体のまとまりもよくなります。
このように、髪型の「やってはいけないポイント」を知っておくことで、逆に自分に合うスタイルが見つけやすくなります。
まずは着物とのバランスを意識して、過度な演出は控えるようにしましょう。
美容院でのオーダー方法とコツ
着物に合わせたショートヘアを美容院でオーダーする際には、「どのような場に着物を着るのか」「髪の悩み」など、細かい情報を伝えることが成功の鍵になります。
美容師とのコミュニケーションをしっかりとることで、仕上がりに差が出てきます。
まず最初にしておきたいのは、着物の写真や予定している場の情報を用意することです。
例えば、結婚式の母親として留袖を着るのか、それともカジュアルなお出かけ着なのかによって、髪型の雰囲気は大きく異なります。
可能であれば、着物の色や柄も分かる資料を持参すると、より具体的な提案が受けられます。
次に、「髪の悩み」や「理想の印象」をはっきり伝えることも大切です。トップにボリュームが出にくい、前髪が決まらない、クセがあるなど、普段感じていることを遠慮せず伝えましょう。
また、「若々しく見せたい」「落ち着いた雰囲気にしたい」など、仕上がりのイメージも共有しておくと、美容師側もスタイルを具体的に組み立てやすくなります。
そして、オーダーの際には「まとめやすさ」や「自宅での再現性」も意識しておくと安心です。
自分でスタイリングする時間や技術に限界がある場合は、「手ぐしで整えられるようなスタイルにしたい」といった希望を伝えると、日常的にも扱いやすい髪型に仕上がります。
ただし、すべてを美容師に任せきりにするのではなく、自分の要望とプロの意見をバランスよく取り入れることが大切です。
迷った場合は、2~3パターンの提案をもらうようにすると、より納得のいく仕上がりになります。
このように、美容院でのオーダーにはちょっとした工夫が必要です。自分の思い描くスタイルと、着物に合う美しさのバランスを見つけることで、特別な日の装いがより魅力的になります。
季節に合わせたアレンジの提案
着物と髪型は、季節感を取り入れることでより洗練された印象になります。とくにショートヘアの場合、季節ごとにアレンジやアクセサリーを少し変えるだけでも、ぐっとおしゃれ度が増します。
春には、軽やかさを意識したスタイルがおすすめです。前髪やサイドにふんわりとした動きをつけることで、柔らかな印象が生まれます。
桜や梅などのモチーフをあしらった小ぶりの髪飾りを添えると、春らしい華やかさを演出できます。
夏は、涼しげで清潔感のあるアレンジが好印象です。首元が見えるスタイルが涼やかさを感じさせるため、耳まわりやうなじをすっきり見せるようなスタイリングが効果的です。
水引細工や透明感のある素材のアクセサリーを使うと、見た目にも爽やかです。
秋は深みのある色合いや落ち着いた雰囲気を意識しましょう。
髪色を少しトーンダウンさせたり、ゴールドやべっ甲のアクセサリーを取り入れたりすると、季節の変わり目にふさわしいシックな印象に仕上がります。
毛先を内巻きにして丸みを出すと、秋らしいやわらかさが加わります。
冬は、フォーマルな場も多く、エレガントなスタイルが映えます。トップにボリュームをもたせて、少し高さのあるシルエットを作ると、凛とした印象になります。
パールやシルバーの髪飾りは、冬の光と相まって上品に輝きます。
このように、季節に合わせて少しずつ工夫を加えることで、着物スタイル全体がより魅力的になります。
季節感を意識したアレンジは、見る人にも心地よさを与える、さりげない心配りのひとつと言えるでしょう。
留袖の母親が使う髪飾りの選び方
留袖は、既婚女性が結婚式などの正式な場で着用する最も格式高い着物です。そのため、合わせる髪飾りも慎重に選ぶ必要があります。
華美になりすぎず、それでいて品格を感じさせるものを選ぶことが、母親としてふさわしい装いにつながります。
まず注目したいのは、「大きさ」と「素材」です。ショートヘアの場合、大きな髪飾りはバランスを崩してしまいがちです。
小ぶりで控えめなサイズを選ぶと、髪型に自然に馴染み、上品な印象を保つことができます。素材としては、パール・べっ甲調・金箔や銀箔など、和装に合う落ち着いた質感のものが好まれます。
デザインはシンプルながらも、着物の柄や色合いと調和するものを選びましょう。例えば、着物に入っている色の一部を拾った髪飾りを使うと、全体の統一感が生まれます。
留袖が黒地であれば、白やゴールド系のアクセサリーがよく映えます。
取り付け方にも気を配ることが大切です。前述の通り、ショートヘアは髪を結い上げることが難しいため、耳の上やサイド、もしくはトップ近くにピンで留めるのが一般的です。
固定する位置によって顔の印象が変わるので、鏡を見ながらバランスを調整してみてください。
そしてもう一つのポイントが「花嫁より目立たないこと」。結婚式はあくまで新郎新婦が主役ですので、母親としてはあくまで引き立て役に徹することが求められます。
華やかであっても、主張しすぎない上品さを心がけましょう。
このように、留袖に合わせる髪飾りは、「控えめで上質」という視点で選ぶことが基本です。装い全体の印象に大きく影響するからこそ、自分の年齢や立場、髪型にふさわしいものを丁寧に選ぶことが大切です。
60代で着物の髪型をショートに自分で整える術を総括
記事のポイントをまとめます。
- 襟足をすっきり整えることで着物とのバランスがとれる
- トップに高さを出すと若々しく見える
- 耳かけスタイルで清潔感を演出できる
- 斜め前髪でやさしく上品な印象を作れる
- 自然なレイヤーで髪のボリュームを引き出せる
- 毛流れを整えることで落ち着いた印象になる
- ヘアバームを使うとまとまりが出て扱いやすくなる
- 軽いカールで華やかさを加えると品が出る
- 前髪で額をカバーしやすく、顔全体が明るく見える
- ボブはショートでも女性らしさを演出できる万能スタイル
- グレイヘアでも清潔感があればフォーマルに合う
- 髪飾りは小ぶりで控えめなものが理想
- 季節に合ったスタイルでより洗練された印象になる
- 美容院では場面と希望スタイルを具体的に伝えることが重要
- 無造作すぎる髪型や派手なカラーは着物に合わない