着物を外出先に持ち運ぶ際、「風呂敷がない」「何で包めばいいの?」と悩んだことはありませんか?
本記事では、風呂敷での包み方から、風呂敷がない場合の代用品、シワになりにくい包み方、実際に使いやすい風呂敷のサイズや素材について詳しく解説します。
たとう紙で包んだままの持ち運びはNGとされる理由や、携帯用たとう紙の使い方、大判150サイズの風呂敷の活用法まで、着物ユーザーが知っておきたい情報を網羅しています。
特に、着物を包む風呂敷の素材選びや、小物類を一緒にまとめる際の工夫など、実用性を重視した内容になっています。
風呂敷が手元にない方も、バスタオルやスカーフなどの代用アイテムで安全かつコンパクトに持ち運ぶ方法がわかります。
着物を大切に扱いながら、スマートに移動するための知識を、この記事でしっかりと身につけてください。
- 風呂敷がない場合の代用品と選び方
- 着物を風呂敷で包む正しい手順
- 携帯用たとう紙の便利な使い方
- 着物に適した風呂敷のサイズと素材
着物の持ち運び時の風呂敷の包み方。ない場合の代用商品
- 包み方を覚える基本手順
- 風呂敷がないときのアイデア
- たとう紙はそのまま使っていい?
- 携帯用たとう紙の正しい使い方
- 風呂敷の素材選び
包み方の手順
着物を風呂敷で包むには、正しい順序を知っておくことが大切です。手順を間違えるとシワや型崩れの原因になってしまうため、しっかりと基本を押さえておきましょう。
まず最初に、風呂敷の中央に帯を置きます。帯は一番重くしっかりしているため、土台の役割を果たします。
その上に着物、長襦袢、肌着や小物類の順に重ねていきます。重ねる順番は、厚みや硬さに応じて配置することで、バランスよくコンパクトにまとまります。
次に、風呂敷の角を対角線で結びます。このとき、着物や小物との間にすき間ができないように、しっかりと密着させて包むのがポイントです。
空気を抜きながら包むことで、運搬中のズレを防げます。
さらに、結び目が着物の上に来ないように調整しましょう。結び目が直接着物にあたると、その部分に圧がかかりシワの原因になります。
結び方は「本結び」や「ひと結び」を選ぶと、安定感がありほどけにくくなります。
最後に、包み終わった状態で形が崩れていないか、左右に傾いていないかを確認します。しっかりとまとまっていれば、そのままバッグに入れるか、手で水平に持ち運びます。
このように、順番とポイントを押さえることで、誰でもきれいに包むことができます。慣れてしまえば数分で包めるようになりますので、繰り返し練習して身につけておくと安心です。
風呂敷がないときのアイデア
着物を持ち運ぶとき、風呂敷が手元にない場合でも代用できるアイテムはいくつかあります。ポイントは、着物が動かず、折れたりシワになったりしにくいように包めることです。
まず試してみたいのが「大きめのバスタオルやブランケット」です。柔らかく厚みのある素材は着物を保護しやすく、やさしく包み込むことで形も安定します。
ただし、通気性が悪いものや色移りしやすい素材は避けたほうが良いでしょう。
次に活用できるのが「エコバッグや布製のショッピングバッグ」です。
たたんだ着物をそのまま入れるのではなく、まずは布や薄手のタオルで一枚くるんでから入れると、摩擦やシワのリスクを減らせます。バッグの中で動かないように固定する工夫も忘れずに。
他にも「大きな風呂敷に近いサイズのスカーフ」や「カーテンの端布」など、自宅にある大判の布類も代用として活躍します。
これらを使うときは、清潔で、色落ちの心配がないものを選ぶことが大切です。
ただし、どの代用品も風呂敷のように「持ち運びやすさ」や「形の自由度」には劣るため、長距離の移動には不向きな場合があります。
そのため、あくまで一時的な代用と考え、必要に応じて風呂敷を準備することをおすすめします。
たとう紙はそのまま使っていい?
通常のたとう紙は、保管用として使うのが基本です。そのままの状態で持ち運びに使用すると、破損や着物へのダメージが発生するリスクがあります。
まず、一般的なたとう紙は薄くて柔らかい紙でできており、湿気や摩擦に弱い特徴があります。
紙袋などにそのまま入れて移動すると、たとう紙が折れたり、角が潰れたりすることが多く、内部の着物もシワになりやすくなります。
また、長さがあるため持ちにくく、両手を使わなければならない点も不便です。
一方、たとう紙には携帯に適したタイプも存在します。マジックテープ付きで、軽量かつ折りたたみやすい仕様になっているものは、持ち運びの衝撃から着物を守りやすくなっています。
こうした「携帯用」のたとう紙は不織布で作られており、通気性もあるため移動中の湿気対策にも効果的です。
このように、着物を安全かつコンパクトに持ち運ぶには、通常のたとう紙を使い続けるよりも、専用のアイテムを使った方が実用的です。
普段の保管とは目的が異なるため、移動時には携帯に向いた素材や形を選ぶようにしましょう。
携帯用たとう紙の正しい使い方
携帯用たとう紙は、着物の持ち運びに特化して作られているため、使い方をしっかり理解しておくとより効果的に使えます。
まず大切なのは、詰め込みすぎないことです。収納力はありますが、たとう紙に無理に詰めるとマジックテープが閉まらなくなったり、着物に強いシワができてしまう場合があります。
目安としては、着物1枚に対して長襦袢や帯、小物が1セット程度までに収めるのが理想的です。
使い方の手順としては、最初にたとう紙を平らに広げ、底面に着物を置きます。その上に長襦袢や帯、帯揚げ・帯締めなどを順番に重ね、最後に肌着や足袋などの柔らかいものを入れてください。
重たいものを下に配置することで安定し、持ち運びやすくなります。
マジックテープでしっかりと固定する際は、中身がはみ出していないか確認しましょう。角から着物が見えていると、ちょっとした移動でも汚れやすくなるため注意が必要です。
ただし、携帯用たとう紙は防水ではありません。雨天や湿気の多い場所では、風呂敷やナイロンカバーで包むなどの対策があるとより安心です。
このように、丁寧な使い方とちょっとした工夫で、携帯用たとう紙は非常に便利なアイテムになります。着物を大切にしながら、スムーズに移動するためにぜひ活用してください。
風呂敷の素材選び
風呂敷で着物を包む際、どんな素材を選ぶかは非常に重要です。素材によって包みやすさや持ち運びやすさ、着物への影響が大きく変わってきます。
まず、着物の持ち運びに適しているのは「綿素材」の風呂敷です。綿は適度な厚みがあり、柔らかくて滑りにくいため、包んだ着物が中でズレにくく安定します。
また、通気性にも優れているため、湿気がこもりにくいという利点があります。家庭で洗える点も衛生的で安心です。
一方、ポリエステルやナイロン製の風呂敷は軽くて薄く、畳むと非常にコンパクトになるため、旅行時には便利です。
ただし、表面がツルツルしているため、包んだ中身が動きやすく、運ぶ際に形が崩れやすいことがあります。滑り止めなどの工夫が必要になる場面もあるでしょう。
また、絹素材の風呂敷もありますが、こちらは高級感はあるものの、日常使いにはあまり向いていません。湿気に弱く、汚れやすい点に注意が必要です。
このように、風呂敷の素材は使うシーンや持ち運ぶ距離などに応じて選ぶことが大切です。着物を安全に運ぶためには、滑りにくく扱いやすい綿素材が基本としておすすめです。
着物の持ち運びに風呂敷がない!代用品と包み方
- 代用になるものアイテムは?
- 持って歩くのに適したサイズとは
- 大判150の活用法
- シワを防ぐポイント
- 小物類を一緒に包むコツ
代用になるものアイテムは?
風呂敷が手元にないときでも、着物を包んで運ぶ方法はあります。大切なのは「清潔で適度な大きさがある布状のもの」を選ぶことです。
日常的に使われるアイテムの中にも、代用できるものは意外と多くあります。
代表的な代用品としてまず挙げられるのが大判のバスタオルです。
柔らかく、吸湿性もあり、着物を優しく包むことができます。ただし、摩擦が大きいため、滑らせるような包み方には向いていません。
次に使えるのが大きめのスカーフやショールです。滑りやすさはありますが、風呂敷のように結びやすい形状であることから、簡易的な持ち運びには適しています。
ただし色移りのリスクがあるため、薄手で淡色のものを選びましょう。
また、ベッドシーツやカーテンの予備布も風呂敷の代用として使えます。特に旅行中や急ぎの場面では、サイズも十分あり、応急的には重宝します。
ただしこちらも、厚手すぎると包みにくくなるため、柔らかく扱いやすいものを選ぶのがポイントです。
このように、専用の風呂敷がなくても代わりになるアイテムは多数あります。
どの素材を使う場合でも、直接着物に当たる面が清潔であること、中で滑ったり崩れたりしないよう配慮することが大切です。
包み方と合わせて工夫すれば、風呂敷がなくても十分きれいに持ち運ぶことができます。
持って歩くのに適したサイズとは
大判150の活用法
大判サイズの風呂敷、特に「150cm四方」のものは、着物の持ち運びだけでなく、日常生活でも幅広く活用できます。
サイズに余裕があるからこそ実現できる使い方を知っておくと、1枚で何役もこなしてくれる便利な布になります。
まず、着物一式をすべてまとめて包む用途に最適です。着物・帯・長襦袢・足袋・肌着・小物類まで、まとめて1枚に包めるので荷物がコンパクトになります。
また、布の端に余裕がある分、結び方にも自由が利くため、リュック風やショルダーバッグ風にアレンジしやすいのも特徴です。
加えて、このサイズの風呂敷は「敷物」や「カバー」としても重宝します。
お花見やピクニックではレジャーシート代わりに使えますし、自宅ではソファカバーやテーブルクロスとしても雰囲気を変えたいときに便利です。
特に和柄や落ち着いたデザインのものなら、インテリアとしても違和感なく溶け込みます。
もう一つの活用法として、防災グッズとしての用途があります。150cmの風呂敷は、避難時に荷物を包んだり、即席のカーテンや仕切りとして使うことも可能です。
持ち運びが簡単で、畳めば小さくなるため、非常袋の中に1枚入れておくと安心です。
このように、大判の風呂敷は着物以外の用途でも非常に役立つため、1枚持っておいて損はありません。使用場面に合わせて柔軟に使える点が、最大の魅力といえるでしょう。
シワを防ぐポイント
着物を持ち運ぶ際に気になるのが「シワ」です。丁寧に畳んでも、運んでいる間に崩れてしまっては、せっかくの着物が台無しになってしまいます。
シワを防ぐには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
まず、畳む前に「余計な湿気を取っておく」ことが重要です。湿気がある状態で包むと、布が湿り気を帯びて折れやすくなり、そのまま跡が残ることがあります。
軽く風を通してから畳むと、シワの発生を抑えられます。
次に、「平らな場所で丁寧に畳む」ことが基本です。着物の畳み方には決まった手順があり、それに従って折り目を揃えることが、シワを防ぐための第一歩になります。
乱雑に畳んだり、折り目がズレたまま包むと、移動中に余計な力が加わってシワが深くなります。
風呂敷で包むときは「中身が動かないよう密着させる」ことも忘れてはいけません。
すき間があると移動中に着物が揺れてズレ、部分的に圧がかかることでシワができやすくなります。空気を抜くようにしながら、全体を包むのが理想的です。
また、包んだ後の「持ち運び方」にも注意が必要です。風呂敷包みを縦にして無理にバッグへ詰め込むのではなく、可能であれば水平に持ち運ぶか、大きめのバッグに入れて平らに保ちましょう。
こうした工夫を取り入れることで、着物の美しい状態を保ちつつ、安心して持ち運びができるようになります。丁寧な扱いがシワ防止の一番の近道です。
小物類を一緒に包むコツ
着物を風呂敷で包む際は、小物類も一緒にまとめておけると非常に便利です。とはいえ、無造作に入れてしまうと中で動いたり、着物に押し跡がついてしまう可能性があります。
そこで、小物類を一緒に包むときのコツをいくつかご紹介します。
まず、帯枕や帯板、腰紐などの固い小物類は、着物や長襦袢の間に直接挟むのではなく、柔らかいアイテムに包んでから入れるのが基本です。
例えば、肌着やタオルで包んでおくと、クッション代わりになり、着物への圧迫感を防げます。
次に、小さな小物は1つにまとめるのが効果的です。洗濯ネットや巾着袋、ジッパー付きの袋などに整理して入れると、紛失の防止にもなり、開封時にも迷いません。
帯締めや帯揚げのような柔らかい小物は、折りジワがつかないように軽く巻いて入れるのがポイントです。
また、全体を包む順序も工夫すると安定します。小物類はできるだけ中央に配置し、重さや形がバラバラでも外側からの圧力に耐えられるようにします。
風呂敷の角を結ぶときも、中身がズレないよう少しきつめに結ぶと安心です。
このように、適切な仕分けと配置を意識することで、着物と小物を一緒に安全に運ぶことができます。準備段階で少し手間をかけるだけで、当日の着付けもスムーズになります。
着物の持ち運びの風呂敷の包み方。ない時の代用を総括
記事のポイントをまとめます。
- 風呂敷がない場合はバスタオルやスカーフが代用になる
- エコバッグを使う際は着物を一枚布で包んでから入れる
- カーテンやブランケットも代用品として使える
- 包む布は色移りしない清潔なものを選ぶ
- 包む順番は帯→着物→長襦袢→小物の順が安定する
- 風呂敷の結び目は着物に直接当たらないように調整する
- 本結びやひと結びがほどけにくくておすすめ
- 通常のたとう紙は持ち運び用には適さない
- 携帯用たとう紙はマジックテープと通気性が便利
- 詰め込みすぎず着物1セットを目安に収納する
- 綿素材の風呂敷は滑りにくく包みやすい
- ナイロンや絹素材はすべりやすく運搬には注意が必要
- 三巾(約105cm)以上の風呂敷が持ち歩きに適している
- 大判150cmの風呂敷は防災やインテリアにも活用できる
- 小物類はまとめてネットや袋に入れると管理しやすい