着物を着るときにあると便利な小物のひとつが「着物クリップ」です。とはいえ、「着物のクリップを100均のアイテムで代用できないか」と検索している方の多くは、できれば身近なもので代用したいと考えているのではないでしょうか。
この記事では、「着物の着付けにクリップは必要か?」という基本から、100均で買える代用品の紹介まで、実用的な情報をわかりやすくまとめています。
特に注目したいのが「100均のダイソーやセリアで代用」できるクリップ類、洗濯バサミなどのアイテムが代用になることもありますが、使い方や注意点を知らなければ、着物を傷める原因にもなります。
また、「使い方は?トイレはどうする」のように日常的なシーンでどう活用するかや、「格安」で購入するための方法、「手作り」でオリジナルのクリップを作る手順なども詳しくご紹介します。
さらに、「大」サイズのクリップが必要な場面、「伊達締めの代用になるものは?」といった関連アイテム、「売ってる場所」についても解説しています。100均の代用品で着物ライフをもっと手軽に、そして安心して楽しみたい方は、ぜひ参考にしてください。
- 100均で着物クリップの代用品が手に入るかどうか
- 洗濯バサミやピンチが代用可能かどうかとその注意点
- 手作りで着物クリップを作る方法
- 着物クリップが必要な場面と使い方
着物のクリップの代用は100均で本当に使える?
- 着物の着付けに必要か?
- ダイソーやセリアの100均で見つかる?
- 洗濯バサミは使えるか?
- 格安で手に入れる方法
- 手作りで作る方法とは?
着物の着付けに必要か?
着物の着付けにはクリップがあると非常に便利ですが、絶対に必要というわけではありません。
多くの場合、手や紐などを使って代用できますが、クリップがあると作業が格段にスムーズになります。
その理由は、クリップが仮止めの役割を果たし、手を離しても着崩れしないようサポートしてくれるためです。
例えば、衿元を整えるときや帯結びの途中で一時的に固定したいときなど、クリップがあれば両手を自由に使えます。これは初心者にとって大きな安心材料です。
また、トイレや雨の日など、外出時の所作でもクリップは活躍します。袖や裾をまくって固定する場面では、着物クリップがあることで生地を傷めず、スマートに対応できます。
ただし、クリップがなくても着付け自体は可能です。あくまで「あると便利」な補助道具という位置づけになります。
そのため、着物を着る機会が少ない方は最初から購入しなくても問題ありませんが、長く着物を楽しみたいのであれば、2〜3個は持っておくと安心です。
ダイソーやセリアの100均で見つかる?
100円ショップで着物クリップそのものを見つけるのは難しいですが、代用できるアイテムは手に入ります。
とくにダイソーやセリアには、洗濯バサミやラバー付きのピンチなど、代用品として使用できる商品がいくつかあります。
これらのアイテムは、安価で気軽に試せる点が魅力です。たとえば「やわらかラバー付きピンチ」は挟む力が適度で、着物の生地に跡がつきにくくなっています。
猫の肉球デザインなど、可愛らしさと実用性を兼ね備えた製品もあります。
ただし注意点もあります。100均のピンチは本来、衣類を干す目的で作られているため、着物の繊細な生地には不向きな場合があります。バリや引っかかりがあると、生地を傷める可能性があるからです。
また、挟む力が強すぎると跡が残ったり、弱すぎるとすぐ外れてしまったりする場合もあります。したがって使用前に、必ず目立たない布などで試すことをおすすめします。
このように、100均アイテムはあくまで「一時的な代用品」として考え、本格的に使う場合は専用の着物クリップを検討すると安心です。
洗濯バサミは使えるか?
洗濯バサミを着物クリップの代わりに使うことは可能ですが、慎重に選ばなければなりません。
用途によっては問題なく使える一方で、生地を傷めてしまうリスクもあるためです。
例えば、帯や袖を一時的に固定する程度であれば、洗濯バサミでも代用可能です。特に滑り止めのゴムがついているタイプや、挟む力が強すぎないタイプであれば、クリップのように使えます。
ただし、洗濯バサミの内側にあるギザギザした部分やバリ(とげ)がある製品は注意が必要です。そこが生地に引っかかると、着物にシミや傷ができる可能性があります。
さらに、金属製の洗濯バサミは錆やバネの硬さによる摩擦で生地を痛めることがあります。
そのため、使用前にはバリがないか確認し、必要があれば布やフェルトを巻きつけるといった工夫が求められます。
このように洗濯バサミは代用品として活用できますが、大切な着物や繊細な生地にはできるだけ専用のクリップを使うのが安心です。特にフォーマルな場や外出時など、失敗が許されない場面では避けたほうがよいでしょう。
格安で手に入れる方法
着物クリップを格安で手に入れたい場合、複数の方法があります。中でもコストを抑えやすいのは、ネット通販の活用と代用品の工夫です。
まず、Amazonや楽天などの大手ECサイトでは、3個セットで1,000円程度の商品も販売されています。タイムセールやポイント還元を活用すれば、実質的な出費をさらに抑えることが可能です。
特に初めて購入する方は、大サイズがセットになったものを選ぶと使い勝手がよく、コスパも高くなります。
次に、100円ショップで代用品を探す方法もあります。前述のように、ラバー付きの洗濯バサミやソフトピンチなどは、数百円で複数個を購入できます。見た目や素材にこだわらなければ、十分に代用可能です。
さらに、手作りという選択肢もあります。ステンレス製のピンチをベースに、口元を加工し、フェルトや布で保護を加えることで、自作の着物クリップを作ることができます。これにより、出費を最小限にしつつ、自分好みのデザインに仕上げることもできます。
ただし、安さを追求するあまり品質を犠牲にしてしまうと、着物を傷める原因になります。見た目や価格だけでなく、素材や構造をよく確認して選ぶことが大切です。
手作りで作る方法とは?
市販の着物クリップが手に入らない場合や、オリジナルで作ってみたい方には、手作りという選択肢があります。基本的な材料と少しの道具があれば、自宅でも比較的簡単に作ることができます。
まず用意するのは、ステンレス製の洗濯ピンチです。樹脂製よりもバネの力がしっかりしており、挟む力が安定しています。ただし、金具部分の角やバリは着物を傷つけやすいので、やすりなどで滑らかに加工しておくことが必要です。
次に、ピンチの口部分に緩衝材を付けます。フェルト、厚手の布、スポンジ素材などを両面テープで貼り付けることで、着物の生地を守ることができます。さらに布を巻くことで装飾と補強を兼ねられるため、好みのデザインにも仕上がります。
例えば、下記は手作りの動画を載せてくれています。
最後に、布の端にほつれ止めを塗っておくと、使用中にボロボロになってしまうのを防げます。こうすることで、安全かつ実用的な着物クリップが完成します。
手作りクリップはコストを抑えつつ、自分好みのアイテムが作れる点で魅力的です。ただし、挟む力や素材の選び方を誤ると着物を傷つける可能性があるため、慎重に作業を進めることが求められます。
着物のクリップの代用を100均で選ぶ注意点
- トイレのときの使い方
- 大サイズが必要な場面
- どこで売ってる場所が多い?
- 伊達締めの代用になるものは?
- 自己責任で選ぼう
トイレのときの使い方
着物を着た状態でトイレに入る際、着崩れを防ぎながらスムーズに動くには、着物クリップが非常に役立ちます。とくに裾や袖をまとめておくための固定具として活躍します。
まずトイレに入る前に、袖が邪魔にならないよう処理します。袖を胸の前に持ち上げて、着物クリップで帯に留めておくと袖が床につくのを防げます。長い振袖の場合は、帯締めや伊達締めに挟み込む方法もあります。
次に裾の処理です。着物、長襦袢、肌襦袢、裾よけの順で1枚ずつ左右に分けて持ち上げ、帯の上あたりまでめくります。
これを内側にたくし上げて、クリップで固定します。こうすることで、裾が下がって汚れるのを防ぎつつ、着崩れも起きにくくなります。
トイレ後は、めくった順とは逆に着物を戻していきます。裾よけから順に、長襦袢、着物の順で丁寧に下ろすことで、見た目もきれいに整います。最後に袖を戻し、鏡で全体を確認してから個室を出るのが基本です。
このように、着物クリップを使うことで、トイレ中の動作が落ち着いて行えるようになります。着物を傷めることなく、着姿を保つためにも、外出時には1~2個クリップを携帯しておくと安心です。
大サイズが必要な場面
着物クリップには大・小・特大のサイズがありますが、日常的な着付けに最も使用頻度が高いのが「大サイズ」です。
とくに仮止めする部分の生地が広い場合や、厚みのある帯を扱う場面では大サイズが使いやすくなります。
例えば、着物の衿合わせを整えるときや、帯結びの途中で手を離したいときに、大サイズのクリップがあるとしっかりと固定できます。
小さいサイズだと布を十分に挟めなかったり、ずれやすかったりするため、安定感のある大サイズが重宝されます。
また、トイレで裾を持ち上げて留める場面でも、大サイズの方が一度に広い面積をまとめられるため、動作がスムーズになります。雨の日に裾を帯の上までまくって固定したいときも同様です。
ただし、手の力が弱い人にとっては大サイズの開閉がやや固く感じられることがあります。その場合は、湾曲タイプの大サイズや、小サイズとの併用がおすすめです。
このように、大サイズのクリップは「布の量が多い」「厚みがある」「しっかり固定したい」場面で活躍します。基本の1セットとして持っておくと、着付けの安定感が大きく変わってきます。
どこで売ってる場所が多い?
着物クリップを購入できる場所は、主にネット通販と着物専門店です。身近な店舗で探すよりも、ネットの方が確実かつ種類も豊富にそろっています。
まず、Amazonや楽天などのECサイトでは、複数個入りのセット商品が安価に手に入ります。実際に「着物クリップ」と検索するだけで、サイズ・色・形の異なるさまざまな商品が表示され、レビューも確認できるため、選ぶ際の参考になります。
一方で、実物を確認して購入したい場合は呉服店や百貨店の和装売り場が選択肢になります。高島屋、伊勢丹、大丸などの百貨店では、質の高い日本製クリップが手に入ることもあります。
また、イオンやイトーヨーカドーなどの大型スーパー内に入っている着物専門店(例:さが美、三松)でも取り扱いがあります。
ただし、ダイソーやセリアといった100円ショップでは、現時点で「着物クリップ」としての専用品は置かれていません。代用品を探す場合は、ラバー付きピンチや洗濯バサミなどが候補となります。
このように、確実に入手したいならネット通販が最も手軽で選択肢も広く、実物確認を重視する場合は呉服店や百貨店が適しています。用途や予算に応じて、適切な購入先を選びましょう。
伊達締めの代用になるものは?
伊達締めは、着物や長襦袢を体にしっかりと固定するための道具です。
しかし、専用の伊達締めが手元にない場合でも、代用品を使うことは可能です。
最も一般的な代用品としては、幅の広いストレッチ素材のベルトや、腰ひもよりもやや太めの布製ベルトが挙げられます。着物を締めつけすぎず、なおかつズレにくいものが適しています。
ガーゼ素材や肌当たりの柔らかい布を巻く方法もありますが、しっかりと結べる長さと幅があることが前提になります。
また、マジックテープ付きの簡易ベルトや、伸縮性のある腹巻きのようなものも代用可能です。ウエストに巻いたときにずれにくく、着物を整える動作がしやすい点が求められます。
ただし、代用品を使う際は以下の点に注意が必要です。まず、素材が厚すぎると着姿がゴワついて不格好になります。また、滑りやすい素材だと着崩れの原因にもなるため、多少の摩擦がある生地を選ぶことが大切です。
このように、伊達締めの代用品はいくつかありますが、使用する素材や形状に配慮しなければ、本来の目的である「着崩れ防止」が十分に果たせない場合もあります。専用品に近い特性を持つものを選ぶことが、きれいな着姿を保つコツです。
自己責任で選ぼう
着物クリップや伊達締めの代用品を使うこと自体は問題ありませんが、それらの使用は自己責任で行うべきです。とくに高価な着物やレンタル品を扱う際には、注意が必要です。
代用品は本来の用途とは異なる設計で作られているため、意図しないトラブルにつながる可能性があります。たとえば、洗濯バサミで生地を挟んで跡が残ってしまったり、金具が引っかかって生地を傷つけてしまうこともあります。
また、手作りのクリップやベルトなどは、作り方や素材の違いによって強度や安定性にばらつきが出ます。自分ではしっかり固定できたと思っていても、外出中にズレてしまうケースも少なくありません。
このようなリスクを理解せずに代用品を多用すると、着物を傷めたり、見た目が乱れる原因になってしまいます。
そのため、代用品を使う際にはあくまで一時的な対応と考え、できれば事前に目立たない場所で試しておくことをおすすめします。
最終的には、どの道具を使うか、どこまで代用で対応するかを自分で判断することになります。少しでも不安がある場合は、無理をせず専用品を使うのが安心です。
着物のクリップの代用100均で補う注意点を総括
記事のポイントをまとめます。
- 着物クリップは必須ではないがあると着付けが格段に楽になる
- 衿や帯の仮止めに使うと両手が使えて便利
- トイレや雨天時の袖や裾の固定にも役立つ
- 100均で着物クリップの専用品は販売されていない
- 代用品としてラバー付きピンチや洗濯バサミが利用可能
- 洗濯バサミは強く挟むタイプやバリのあるものは避けるべき
- 生地を傷めないよう事前に試してから使うのが安全
- ダイソーやセリアにはかわいく実用的な代用品もある
- ネット通販では大サイズ入りの格安3個セットが見つかる
- 手作りクリップは安価で個性も出せるが加工に注意が必要
- フェルトや布を活用して緩衝材を作ると生地を守れる
- トイレ使用時は裾や袖を順序よくまとめるのが基本
- 大サイズのクリップは仮止めや裾留めに向いている
- 着物専門店やECサイトが購入場所として確実で選択肢も多い
- 代用品の使用は自己責任で行い、高価な着物では注意が必要